2月13日、オリンピックセンターにて中村芳夫氏をお招きし、日本の消費税の現状と展望についてご講義いただきました。
日本人は、サービスは受けたいがお金は払いたくないと考える人が多い。しかしその考えを貫き通しているとローマ帝国のように滅亡してしまうであろう。 現在の日本でこのまま少子高齢化が続いていけば、お金の面で・若者が老人を1対1で支えるという状況になってしまう。よって、消費税は8%から10%にすべきである。そして経済を上向きにすべきである。
消費税には逆進性があり、軽減税率などによって逆進性を緩和しようとしている。しかし、一番いいのは給付付き税額控除ではないか、と中村氏は述べた。ちなみに、給付付き税額控除を行うためには国民に番号を付けることが必要である。大変な作業ではあるが、それによって各人の所得がしっかり把握できるようになる。
また、日本国内では雇用が減少している。これは国民生活に不利益である。保育サービスや医療サービス、介護サービスなどのサービスには必要な度合いによって差があってもいいのではないか。さらに、このようなサービスについては民間が入り込んで効率化すべきであるということだった。
そもそも、このようなサービスを行うためにはパイを大きくしなくてはならない。そのパイを大きくするためには消費税による収入を増やさなくてはならない。そうすることでサービスが行き届き、老人の貯蓄の傾向も減らすことができるのではないか、と中村氏は述べた。
中村氏は講義を早めに終わらせて、質疑応答の時間をたっぷりととってくださった。以下はその質疑応答の内容である。
Q1. 消費税ではなく他の税を増税するというのはどうか。
A1. 例えば所得課税を増やした場合、高所得者は日本から逃げてしまう可能性がある。そうしたことを考えると、もし所得税を増税したとしても、税収はなかなか集まらない。また、法人課税、資産課税は増税することは難しい。
Q2. 中村氏がそんなに生き生きしているのはなぜか。
A2. あまり悩まないからである。なにか問題があればその日のうちに解決する。このような即断即決がストレスを溜めない秘訣だと考える。
Q3. 今日本人に求められていることは何か。
A3. まずは英語を勉強しなさい。そして、さらに何かプラスアルファのスキルを身につけることが大切である。
Q4. 大学ではなにをすべきか。
A4. 大学の授業に頼りすぎるのはよくないと考える。クラブ・サークル活動でつくった友達は、大学を卒業しても長く続く関係になりうるので、大切にしていくべきである。
非常に分かりやすいご講義でした。さらに、最後の質疑応答では私たちの様々な質疑にも一つひとつ丁寧に答えてくださり、大変有意義な時間を過ごすことができました。ご講義いただきました中村 芳夫様、本当にありがとうございました。
文責:中杉郁佳