2月7日、オリンピックセンターにてジャーナリストである瀬戸氏にご講義いただきました。
瀬戸弘幸氏は福島県のご出身で様々な経歴をお持ちであるが、現在では主にジャーナリストとして活動されている。少子高齢化が進み労働力人口も減少すると予測されている日本において、もっと多くの移民を受け入れて労働力不足を補うべきだという声が強まっているが、瀬戸氏は日本の移民受け入れに対しては反対であるという主張を明確にされている。
瀬戸氏の主張は人口の減少を移民で補うのではなく、むしろ人口の減少を受け入れた上で新しい日本の形を構築すべきだというものであった。西欧先進国と日本の人口密度を比較した場合に日本の人口密度はかなり高いため、人口が減ること自体に問題はなく、むしろ今までの人口増加が急であったと指摘された。つまり人口を適正な水準まで減らすことを前提とした上で、日本の将来の国家像を決めていくべきだという訳だ。
そして少子高齢化に対して日本がとるべき対策は、移民を受け入れることではなく出生率を伸ばすことのできる制度を整えることだと述べられた。具体的な例としてはスウェーデンのサムボという制度を挙げられた。
また瀬戸氏は移民政策に反対する理由として外国人犯罪や不法就労などの問題も指摘された。イギリスやドイツやフランスでは移民政策の失敗は治安の悪化などから見て明らかであり、近年では移民排斥を唱える極右政党の支持も広がっているということであった。
しかし瀬戸氏は一切の移民の受け入れに反対されているという訳ではない。介護現場など早急に人材が必要とされている分野などにおいては、相手国と協定を結んだ上で、ある程度外国人を労働力として受け入れることはやむを得ないということであった。ただ移民を受け入れる際に注意しなければならない点として瀬戸氏が強調されたのが、受け入れ相手国の「バランス」であった。つまり、安全保障上の観点から特定の国からのみ移民を受け入れることは危険であるというご指摘であった。
ご講義してくださいました瀬戸様、本当にありがとうございました。