6月13日の定例会では、参議院議員の片山さつきさんをお招きし、日本の財政についてご講演いただきました。
片山氏は、東京大学在学中は外交官を目指していたが、教授からの勧めにより財務省(当時大蔵省)へと入省される。財務省でご活躍の後、政界に舞台を移し現在では参議院議員として力を尽くされており、財務官僚経験者から見た今の日本の現状、その未来についてお話ししていただいた。
片山氏は現在、民主党政権の掲げる「政治主導」というものに関して「確かに、国民の選んだ政治家が全てを行うのが理想ではあるが、現実では政治家が大枠を決め官僚が詳細を詰める。この役割分担が大切なのであり、現在の民主党の政治主導では、政治家が官僚にできないことを押しつけている」と述べられた。
また、3月に発生した東日本大震災での菅政権の対応について「被災状況、特に原発について迅速な情報の開示ができていない」と政府の情報開示の姿勢を批判するとともに「このような未曾有の災害が起き、復興にお金も時間を必要なかで、緊急を要する政策と要さない政策の線引きをすることなく増税を議論をすることははたして適切か」と疑問を呈した。
さらに、日本の財政、金融問題においては「どうして経済的に好調な時でさえ、日本が基軸通貨になることができなかった」ということに関して「通貨というものは国の威信であるため、日本が経済的にだけでなく、軍事的に自立しない限り基軸通貨となることはできない。国際政治や経済においては、国が自立することこそが一番必要なことである」と財務官僚を経験した片山氏ならでは意見を述べられた。さらにそのために「現在憲法改正の発議に必要な総議員の3分の2というラインを2分の1まで引き下げることが必要」と持論を展開された。
最後に「現在、震災からの復興、財政赤字など日本には多々課題があるが日本にはまだまだ力がある。若い人には日本を見捨てずに力を尽くしてほしい」とメンバーを激励された。
今回、財務省出身の片山氏にご講演をお願いしたが、財政問題だけにとどまらずあるべき「政治主導」といった政治問題や東日本大震災への対応にまで言及していただいた。様々な学部が在籍するメンバーも、自分の専門とする分野だけでなくその他の分野についても目を向けることができたであろう。片山さつきさん、本当にありがとうございました。