4月28日の定例会では、衆議院議員の城内実さんをお招きし、新入生歓迎講演会を行いました。
城内氏は、一年間の浪人生活を経て、東京大学で学ばれた。その頃から、「逃げない」という姿勢を貫いていらっしゃるのだそうだ。勉強でも、サークルでも、恋愛でもいいから、学生時代に何か一つに一生懸命になり、完全燃焼することが大切だ、と述べられ、講演が始まった。 幼少期をドイツで過ごされた城内氏は、ドイツの外交官になるのが夢で、外務省につとめていた。しかし、外務省がうまくいかなくなった際に、政治のおかしさを感じ、政治の世界へ飛び込むことを決意した。当時、課長昇進も目前であったが、自分自身を信じ、決断したそうだ。
お父様の出身地である浜松の広い選挙区から自民党で出馬された。小泉内閣での郵政選挙の際、自らが所属する自民党に反対し、資格を送られ、僅差で敗退した。しかし、今振り返ると、今回の選挙において、自民党は静岡の全区で敗退しており、信念を押し通して良かったと言える。城内氏は、当時は30歳、40歳と若かったからできた決断であった、と振り返っておられた。
若いうちは、辛いこと、大変なことに自らチャレンジするべきだ。例え、親や恋人の言うことであっても、周りの人の言うことは思いの外いい加減なことがある。そこで、最後に信じるべきは自分自身である。そして、「自分」と言っても色んな自分がいる。ズルイ自分もいる。しかし、その奥にある真っ当な正義感のある「自分」、すなわち「自分の魂魄」に向き合い、逃げないことが何よりも大切である、と語られた。
また、ご自身の政治家としての活動についても述べられた。 国会議員というのは、忙しくしようと思った分だけ忙しくなる。城内氏は、法務委員や文武委員に所属している。国会議員は官僚に指示することができる。官僚主導というが、必ずしもそうとは限らない。また、国民の認識、意見が必ずしも正しいとも限らない。たとえば、税金であれば、「プライマリーバランスを0にしないといけない。」と言われるが、それは必ずしも必要とは限らない。国は借金はしているが、借金相手は国民であるため、そこまで問題ではない。
城内氏は、国会議員として活動される上で、健康にも気を使っていらっしゃる。 お酒、水、塩、お米にこだわると良い。これらは神棚にお供えするもの。それらを良いものにすることで、体を基礎からよくできる。 本物は安く、そしてシンプル。高ければ良い、というのは嘘。例えば、天然の塩であれば、沢山摂取しても問題ない。など、独自の健康法を伝授してくださった。
また、今回の講演会では、新たに大学生活をスタートさせる学生たちに対し、城内氏が大切にしていらっしゃる人生観について、特に熱を込めて語ってくださった。 人生には色んな落とし穴がある。人生の「目利き」にならないといけない。目利きの人は、危うい人生を歩まない。パワースポットとかは危険。本当に力があるところ(伊勢神宮とか)は改めて言われたりはしない。宗教とかは程々がいい。宗教のウエイトが増えすぎて、時間やお金などを掛け過ぎて周りが不幸になったりしたら良くない。99%正しい宗教でも、1%くらいは曇りがある。そこを見極めないといけない。
同時に、日本人であることに感謝する。それは決して、他を卑下する訳ではない。日本の「歴史」「伝統」「皇室」は誇りに持つべき。外国に行き、日本語が話せない、日本食がない、日本のような四季がない、というような環境に身を置いたときにその意味がわかるのだ、と城内氏は語った。 伊勢神宮に行った際も、日本文化について改めて感じることがあったという。伊勢神宮は、常に新しさを保っている。時空を超えて残っていて、そこには、「現在」「過去」「未来」が存在する。時空という、四次元的なものの捉え方をすることは、宗教などだけではなく、生きていく上で重要である。人の行いを、一方から見るのではなく、過去や未来とどのように繋がっていくのかを見るべきである。高い位置(高次元)から見られたときに、恥ずかしいところがないか、と考える。そうすることで逃げずに向き合う姿勢が生まれる。逃げずに向き合うことで、徳を積むことができる(積善有徳)。過信などはマイナスを積んでいくことになってしまう。したがって、小さいことでもいいから、コツコツとやることが大切である。毎日「何か」をやる。コツコツとやる。そのことが大切なのである。地味なことをコツコツと続けると、のちに必ず報いが帰ってくる。死ぬときに堂々としていられると良い。60点か、70点の人生でもいい、と思ってコツコツと努力を重ねて生きていくと、100点に近い人生となる。人を蹴落としてでも100点を取ろうとすると、堂々と人生を全うすることは難しい。
以上のように、いくつかのセンテンスに分け、通じて「信念を貫く」ということについてお話してくださった。この講演会は、新入生歓迎講演会として行われ、今年度からFrontRunnerのメンバーとして活動をしていく新入生にとって、最初の講演会であった。新たな環境に身を置いた彼ら、そしてこれから上級生としてFrontRunnerを引っ張っていくメンバーが、これから多くの決断をしていく上で、本当に有意義なお話を頂戴できたことは、本当に感謝してもし尽くせない経験であった。城内氏の講演の中で感じた熱い想いを、これからの学生生活、そしてこれからの人生に活かせて行こうと思う。
城内実さん、心に響くご講演、本当にありがとうございました。