2月12日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、グループBの「地域交通」に焦点を当てた事前学習が行われました。
今回学ぶテーマは「地方創生における地域交通〜交通で地域を活性化する〜」です。
今回はファシリテーション形式で、地域交通に関する現状と今後の展望についてサークル員で考えました。
交通と一言で言っても新幹線や飛行機を利用した都市と都市を結ぶ大きな移動もあれば
、日常で利用するような電車やバス、タクシーでの身近な移動もあります。今回は地方創生について考えるにあたって、後者の交通にフォーカスして事前学習を行いました。
過疎化が進行する地域では、人口減少や自家用車の普及に伴って公共交通機関の利用者の減少が見られ、それによって赤字経営となる事業者が多くなっています。さらにそうした交通機関では運転手の人手不足も生じているため、サービスの縮小や廃止をせざるを得なくなってしまっているという現状について共有しました。
前述したような現状によって考えられる弊害について、いくつかのグループに分かれて
ディスカッションを行いました。サークル員からは、「日常生活においても移動が困難に
なる交通弱者が生じて人の動きが減ることにより、消費の減少、産業の衰退、さらなる人
口減少といったような連鎖的な問題を生む」という意見や、「車が運転できないと移動が
不便になる」という意見が出ました。全体として、地域交通に関して高齢者と地域経済に
着目した意見が多く見られました。
最後に、前の項目で挙げたような問題点に対しての方策を同じくディスカッション形式
で考えました。サークル員からは、より便利なドアtoドアの移動、個人のニーズに応える
サービスを実現することを目的として、アプリの利用などにより現状のサービスを拡張す
るという視点や、誰もが安心して運転できる車の開発、交通サービスでの自動運転の利用
という技術面に注目した視点からのアイディアが出ました。また交通サービスの充実にと
どまらずに、交通サービスを中心としたまちづくりを進めるということも地域の活性化に
繋がるのではないかといえます。その一方で、交通インフラの整備は手間も費用もかかる
ため、人口減少や過疎化が進行する現状を踏まえてその必要性を問う声もありました。い
ずれにしても交通は日常生活に密着したものであるので、その地域に寄り添ったものであ
る必要があるのではないでしょうか。
東京を中心とした都市部では網目のように交通機関が発達している一方で、車社会が
成り立っている地方部では交通サービスが十分でない地域がみられるという現状がありま
す。今回の事前学習を通して、その地域での人の移動量を左右しうる交通は地域経済の活
性化にも大きく関与するということを実感すると共に、現在の日本が抱える少子高齢化が
今後の地域交通のあり方に関わってくるということを感じました。地域交通と地方創生が
どのようなつながりを持つのかを考える機会になったのではないかと思います。
文責:飯野 千香子