11月30日の定例会では、メディアにおける日本のこれからを考えるため、情報格差についてディスカッションしました。
本タームにおいては、日本が理想とする社会を「平等な社会」と設定し、平等な社会を実現するために、情報化社会における格差の問題について考察する必要があると考えました。
情報格差にはハード面とソフト面、双方からの問題があるとし、今回はソフト面の対策について、どうすれば格差をなくすことができるのか議論を進めていきました。具体的に、ハード面の問題としては、ICT(情報通信技術)やブロードバンドへのアクセシビリティの有無、ソフト面の問題としては、それらの技術を正しく使いこなす能力の有無などが挙げられます。
Q1.情報格差はどこで発生しているのか
・小学校での格差
・世代間での格差
・国ごとの格差
・地域による格差
・立場による格差
・知的好奇心による格差
・メディアリテラシーの有無による格差
・制度による格差
・SNSによる格差
・所得による格差
・障害者、健常者間の格差
などの意見が出ました。情報格差はさまざまなところで生まれていることが浮き彫りになりました。
Q2.新聞記事の資料から読み取れることは何か。
・あまりにデジタルデバイドが普通になったから。
・デジタルデバイドは改善されつつあるという認識が広まっているから。
・読者に関心がない。
・情報格差を取り上げない方が社の売り上げが伸びるから。情報格差は主にネットメディアを対象に叫ばれることが多く、紙面を読むことで気づいた読者が新聞からネットへと移行することを防ぐため。
・2000年はPCの普及で関心が高まったから。
・政治的に大きな動きがあり、紙面をほかのことに割かなくてはいけなくなったから。資料の表は情報格差を各新聞社がどれだけ紙面にとりあげているかを年ごとに統計データとして算出したものです(2000年から2005年)。デジタルデバイドを扱う記事は年々急激に減っており、それがなぜなのかをディスカッションしました。
Q3.小学生に対するIT教育は必要か?
必要
・現代において社会全体のビジネスでネットは絶対に必要であるため、幼少期から教育すべき。
・知識なく使うのではなく、正しい使い方を身に着けることができるから。
・発展途上だからこそ、ネットの危険性を教えることが必要だから。
不必要
・人格形成に大きな影響を与える。
・コミュニケーション能力の欠如につながる。
・引きこもりが増えるのではないか。
・小学生は理解力が発展途上であり、教えても意味がないから。
ネットについて教えることは重要だが小学校においてはその時間が物理的に取れないという意見、それに対して毎週授業として行うのではなくHRの時間に教えていくことで意識に変化が生まれるのではないかという意見も出ました。これから、講義、ディベートを通じてさらにこのテーマについて理解を深めていければと思います。
来週は、認定NPO法人イーパーツ常務理事・事務局長である会田和弘氏をお迎えし、ご講義いただきます。各自が今回学んだことや疑問に思ったことを掘り下げ、より有意義な時間にしていきます。以上です。
文責:請園 薫(一部修正・追加:中山遥)