今後3週間のテーマは日本の国際貢献の在り方です。FrontRunnerでは3本の柱に基づいて定例会を行っていますが、今回はその3本の内の1本目、Case Studyを行いました。
初めに2年生の企画担当である兵平から日本の国際貢献の現状と背景に関する説明がありました。国際貢献の主な形式として、PKOをはじめとする直接的・人的な支援と、ODAをはじめとする間接的・物的支援の2種類が挙げられます。日本国内においてはこれまで、「顔の見える」支援が少なかったという反省から、人的支援を増やそうという傾向がありました。一方、金銭的・物的支援を中心としたODAはその存在意義に疑問を投げかけられています。では、これから日本が国際貢献をするにあたりすべきこととは、何なのでしょうか。
今回は2つの質問について各班8分間のディスカッションを行い意見をまとめ、1分間で発表を行いました。
質問①:「日本の国際貢献は正当に評価されているか」
質問②:「日本は今後直接的な人的支援と間接的な経済支援のどちらに重きをおくべきか」
質問①の「日本の国際貢献は正当に評価されているか」については評価の主体を現地の人、日本人、第三者の3つに分けて議論しました。各班の意見を聞いた結果、共通していた点は
・現地(支援の相手国)の人の評価は高い
・日本人は情報が不足しており正当に評価する機会がないという点でした。
意見が班ごとに異なったのは国際社会からの第三者による評価の正当性で、
・東日本大震災の世界中からの支援
・四川省地震における日本の支援に関する報道
・世界好感度ランキングで1位を獲得した点などから世界からの評価は高い
という意見が出た一方、
・貸与、ヒモ付き支援に対する悪評
・支援先の偏りなどから第三者から見た日本の国際貢献の評価は低い
という考えも出ました。
そこで、今後日本が国際貢献をより成功させるために質問②を考えましたが、ODAとPKOについての長短をそれぞれ挙げ、各班ほぼ半分ずつの割合でいずれかを選んでいました。ODAは金銭的負担が大きくお金の使途が不明確になりがちである代わりに柔軟性があり、PKOは自衛隊問題が絡む半面顔が見えることから、国際社会における外交上の効果は大きいという長所が挙げられました。
ここで浮かんだ疑問や議論を踏まえ、各自フィードバックしてから、翌週の講義に備えていきます。以上です。