今回の定例会では、次週お迎えする片山さつき氏にお話しいただく「日本の財政」についての事前学習を行ないました。日吉代表兼企画の花岡が、国債、そしてギリシャと日本の財政赤字の比較を中心としてプレゼンをしました。
国債(国が発行する債券)には、建設国債と赤字国債の二種類があります。建設国債は公共工事に使われるために、赤字国債は財政赤字を補填するために発行されます。 これら国債は、国家予算における財政支出の約1/5を返済にあてなければならないほど額を占めている一方、財政支出の半分は新たな国債の発行で担っているのです。ところで、日本が借金大国だということは有名な話です。国の借金総額(国債と借入金の合計)は「債務残高」と言い、日本の債務残高はなんと919兆円で、国民1人当たり722万円にも及ぶのです。もちろん、先進国中最悪です。
さて、昨年財政赤字が原因で混乱を起こした国といえばどこでしょうか?2010年2月、ギリシャではストライキやデモが多発しました。ではなぜギリシャ危機は起こったのでしょうか?ギリシャ政府は多額の財政赤字を隠蔽していました。しかし、その隠蔽が明らかになり、債務不履行の不安が高まったため、ギリシャ国債の信頼低下、それに伴うギリシャ国債暴落が起きてしまったのです。 このような状況に陥ってしまうくらいだから、さぞかしギリシャの財政赤字はひどかったのだろう…と思いますよね。しかし、実はギリシャより日本の債務残高の方が多いのです。では、なぜ日本はギリシャのような混乱に陥っていないのでしょうか?
それは、債務の性質が日本とギリシャでは異なるからです。日本の国債のほとんどは、日本の銀行(つまり私たち国民)が所有しています。対して、ギリシャは大半が対外債務であるため、信頼を保つのが難しいのです。日本は、自分の家族にお金を借りているのに対し、ギリシャは他人にお金を借りている、というとわかりやすいですね。
次回の勉強会「日本のこれから~日本の財政~」は、参議院議員(自由民主党)の片山さつき氏をお招きします!片山氏は、大蔵省入省後、大臣官房文書課政策評価室長、主計局(*1)主計企画官(*2)、同局主計官、国際局開発機関課長を経て、2005年には参議院議員に初当選し、その後経済産業大臣政務官(*3)に就任されました。
(*1) 国の予算の編成、決算の作成、会計制度の企画立案を司る。
(*2) 主計企画官は、命を受けて、主計局の所掌事務のうち重要な専門的事項についての企画及び立案に当たる。(財務省組織規則 第九条 第二項)
(*3) 大臣政務官は、内閣官房長官又は特命担当大臣を助け、特定の政策及び企画(大臣委員会などの所掌に係る物を除く。)を処理する。(内閣設置法 第十四条 第二項)