2019年度 第6回リフレクション

防災とまちづくり


 12月13日、日吉キャンパスにて、第六回テーマである「防災とまちづくり」について、各班5分のプレゼンテーション形式でリフレクションを行いました。

論題「皆さんが住む地域の防災上の問題を一つ以上発見し、公助もしくは共助の観点から解決策を提示してください。」


 事前学習では自助、公助、共助の3つの観点から防災を捉えましたが、リフレクションでは公助と共助に主眼を置き、災害に強いまちづくりについて政府側の視点で考えてもらいました。12月6日までに各人自分が住んでいる地域の防災上の問題を調べ、各班ごとにどの地域を取り扱うか決めました。そして各班それぞれ準備行い、12月13日に7つの班が特定の地域の現状分析、問題発見、解決策について発表しました。

 以下は発表の内容です。

【菅原班】東京都大田区


 地震と台風が引き起こす固有の問題や共通する問題を整理したうえで、解決策の提示を行いました。例えば地震と台風による共通の問題として携帯回線のパンクが挙げられますが、これは安否確認等による一時的な回線の集中のため起こる問題です。そこで携帯会社が基地局を増やし、余裕のある住民が自らの無線LANを貸すといった共助により携帯回線を分散させ問題を解消できます。

【池端班】埼玉県戸田市


 

 戸田市は荒川を境に東京に接しているベッドタウンとなっているため、市の予算は埼玉県内で一位となっている地域です。この地域の問題としては内水浸水や荒川氾濫といった水害が挙げられます。内水浸水とは、ゲリラ豪雨などで上下水が上手く流れないことで街が1mほど浸水する災害です。解決策として自治体間での事前の情報共有、側溝の掃除、インフラ整備を提示しました。また荒川氾濫については、荒川第一調整池をグリーンパークまで広げ貯水量を拡大することで解決を試みました。

【秋山班】宮城県丸森町


 現状の避難勧告では法的拘束力がなく、特別警報で避難する人も少ないことが問題となっています。避難しないことで犠牲になる人は多く、特に高齢者や障害者といった体が不自由な人は犠牲になりやすくなっています。そこで「自由よりも人命を」というスローガンのもと、「防死条例」を提示しました。初期避難遅延による死亡の防止を目的に、強制的に避難所へ避難させることで住民の命を救うものとなっています。

【山田班】東京都渋谷区


 渋谷区は東日本大震災時に直接の被災を免れたものの、帰宅困難者が多数発生し一か所に集中するといった問題が起こりました。この問題は首都直下型地震が発生した際でも起きる可能性は高く、最悪の場合人込みの中で将棋倒しが起こり、圧迫死が多発するというシナリオが考えられます。そのため帰宅困難者を分散させ、なおかつ安全に待機させることが必要です。そこでコンビニよりも数が多い歯医者に食料や毛布を置いてプラットフォーム化することで、帰宅困難者の拠り所となるよう努めました。

【髙山班】千葉県海浜幕張駅周辺


 海浜幕張周辺は幕張メッセをはじめとした施設や歩道橋が数多く点在しているため、災害が起きたとき大人数が駅や歩道橋に殺到し身動きが取れない可能性が高くなります。そこでMESSE PLANと称して、新幕張駅の増設、車道の遊歩道化、幕張メッセへの誘導を行うことでスムーズに安全な場所まで移動できます。

【鎌田班】東京都北区


 浸水と震災という二つの観点から解決策を提示しました。現在浸水場所を事前に把握できるようにハザードマップが作られていますが、避難所がどこにあるのかわかりにくく、上から見下ろした平面な図なのでイメージがわきにくくなっています。そのためグーグルマップを活用した全国災害情報共有システムを作ることで、一目で避難所や被害を分かるようにするといった解決策を提案しました。また震災面に関しては、ボランティアの強化、耐震化の推進、震災シェルターの設置といった共助や公助で解決を試みました。

【小林班】東京都足立区


 近くに荒川が流れているため水害が起こりやすく、また家屋が密集しているので地震時における危険度の高さが問題となっています。定住率や、10代から20代の転入率が高いといった特徴を活かし、若者が防災に参加しやすくなるように消防団の強化を解決策として提示しました。子供に対してはボーイスカウトとコラボ、大学生に対しては防災入門という授業、大人に対しては副業といった世代に合わせたアプローチをすることで、消防団の人員増加を目指しました。

所感


各班が斬新なアイデアを持ち寄った、個性豊かな面白い発表でした。代表や監査が入院するという異例の事態が起きましたが、普段通り盛り上がった定例会になりました。なにより今年最後のテーマ学習並びにリフレクションだったため、一年生をはじめとしたサークル員全員で無事やり終えたという充実感と感慨深い気持ちで胸がいっぱいでした。来年もみんなで楽しく活動できることを期待しています。

文責:山田 健太郎