今回の定例会では、Case Studyや松香氏の講義を通じて深めてきたテーマ、グローバル人材の育成について、6班に分かれ、ディベートを実施しました。 その後、個々の考えをより深めるために、3~4人のグループに分かれディスカッションを行いました。
それぞれのディベートには2名ずつジャッジをつけて判定を行いました。 肯定・否定は当日に決定されます。 ディベートルールはディベート甲子園(公式HP: http://nade.jp/koshien/)の形式をもとに作成したFR Debate Rule Bookの形式に従っています。
論題
「日本は英語を公用語とするべきか否か」
以下、肯定派、否定派において挙げられた論点です。
肯定派
・外国人を労働力として受け入れることが容易になる
・世界的に見て低いとされている日本人の英語力を向上させることができる
・日本の国際的地位・存在感が向上する・グローバル化の進展に対応することができる
・英語を用いたサービスの提供を行うことで企業の市場が拡大し、日本の経済力向上が期待できる
否定派
・日本語を話す機会が減少し、日本人としてのアイデンティティーが失われかねない
・過去の公文書の英語への翻訳など、多大な時間的・経済的コストが発生する
・公用語化に向けて英語教育に時間がとられ、他教科の学習に割くことができる時間が減少してしまう
・親世代は英会話に長けておらず、家庭において日本語で話すと思われるため、子供が就学時に公用語である英語を話せないという事態が発生しかねない
・英語を話せる人と話せない人との間で社会的格差が発生する
今回のディベートの反省点として多く挙げられたのは、「伝える」ことを重視し、相手やジャッジが理解できるように立論を説明したり、質疑・反駁の際にはどの立論・反駁に対する質疑・反駁であるのかを前もって明確に述べたりする必要がある、というものでした。その他には、質疑の際にデータのソースを追及するばかりではなく、議題に適した論を組み立てているか否かを重視するべきであるという指摘がありました。
前期を通して、話し方についての反省が多くみられました。ディベートにおいては、議論を進める際、自分達だけの中で完結するのではなく、ジャッジや周りのオーディエンスのことも考えながら議論をする必要があります。後期からは、聞いている人にとってもわかりやすく自分達の主張を説明し、論理的な議論の進め方ができるよう、準備段階から「伝え方」を意識していきます。
最後に、講義やディベートで学んだことを踏まえ、自分たちが考えるグローバル人材とは何かについてディスカッションを行いました。 このディスカッションにおいては、
・グローバル人材とは、自分の確固たる核というものがあり、意欲的な人材である。
・自分の持つ考えを、他人に伝えようとする意志のあるひとが、世界で活躍できる。
などといった意見が挙げられました。 単に英語などの語学力が高いというわけではなく、自分の信念と強い意志を持ち、そのツールとして語学を用いることのできる人材こそが、グローバル人材であると考えるメンバーが多かったようです。
ここでの議論をもとに、グローバル化が進展する今日、自分達はどのように行動していくべきかをそれぞれが考えることができたのではないでしょうか。 今後もテーマについて各々の意見をもち、お互いに共有し考えを深めていきます。 以上です。
文責:岩崎亜胡