2014年度 第1回フィールドワーク

@読売新聞社


 5月20日、2014年度第一回のフィールドワークとして、大手町にある読売新聞社のオフィスを訪問しました。 

今回のフィールドワークは、定例会で扱ったテーマ「メディアにおける事実と真実」と関連させ、イギリスの「ギネスブック」が認定した世界一の発行部数を誇り、日本を代表する高級紙である読売新聞社のオフィスを見学し、日本のメディアを体験的に学習することを目的として行われました。


オフィス見学 ―新聞づくりのいろはを学ぶ―


 オフィスに到着するとまず、読売新聞に関するショートムービーを鑑賞しました。ムービーでは、世界一の発行部数を誇る読売新聞がどのようにして作られ、私達に届くのかが以下のように分かりやすく説明されていました。

 

 新聞記事作りに欠かせないのは、何よりもまず記者による取材です。扱うテーマによって政治部、経済部、社会部、文化部など多くの部門に分かれている記者が作成した原稿を、担当デスク(取材の責任者)がチェックします。そして、その記事は編集会議に持ち込まれます。編集会議というのはその日の紙面づくりの方針を立てる会議のことで、昔は立って会議が行われたことから、「立ち会い」「土俵入り」と呼ばれることもあるそうです。完成した記事は、出稿(デスクが紙面計画に従いそれぞれの面に記事を送ること)、紙面レイアウト、校閲・最終チェックを経て、全国約30箇所の印刷工場にデータ送信されます。輪転機で印刷された新聞は各地の印刷工場から全国に約7600店舗ある販売店に配送され、販売店から各家庭に配達されるそうです。新聞が私達の手に渡るまでにどれほど多くの人が関わっているのかを教えてくれるムービーでした。

 

 ムービーを見た後は、編集業務を行う編集局を見学しました。編集局の中は壁が少なく、奥まで見渡すことのできるようなつくりになっていました。これは、1つの部署の動きが他の部署にすぐに伝わるようにし、スピーディーな紙面づくりに役立っているとのことでした。実際に読売新聞で働いている方々の姿を見て、私達が毎日読んでいる新聞がこのオフィスで作られているのだと思うと不思議な気持ちでした。

 

 オフィス見学が終わると、読売新聞の歴史の展示コーナーを見学しました。読売新聞の創刊から現在までの歴史を重大ニュースの紙面とともに振り返ることができる興味深い展示で、見学者は皆楽しんでいるようでした。新聞の印刷工程の変遷に関する展示もあり、様々な角度から新聞に関する見識を深めることができました。


新聞記者体験 ―新聞記者の実務を知る―


 最後は、新聞記者体験を行いました。私達見学者が新聞記者となり、高校の料理部からの取材依頼に応えて新聞記事を作成するというストーリーで、タブレット端末を使用して取材、記事作りを進める面白い企画でした。1つの記事を完成させるのには色々な場所に出向き、色々な人に取材して情報を集める必要があることを実感し、改めて新聞作りの大変さを感じました。

  

 今回のフィールドワークは、定例会で扱ったテーマである「メディア」をふまえたものとなっていました。定例会ではメディアの報道の問題点を中心的に扱い、どのようにメディアリテラシーを身につけ本当に正しい情報をメディアから読み取るのかについて議論しました。ですがこのフィールドワークを通して、実際にメディアの現場で働いていらっしゃる方々は、正しい情報を、速く、たくさんの人に知ってほしいという思いをもって仕事に携わっていらっしゃるのだということを実感しました。確かにメディアの報道には偏向性や誤報の可能性など問題点もありますが、私達がメディアから受けている恩恵も忘れずにいるべきだと思いました。

 

文責:矢部麻里菜