2013年度 第4回フィールドワーク

@武田薬品工業湘南研究所


 9月18日、第四回フィールドワークとして神奈川県にある武田薬品工業湘南研究所を訪問しました。

 

 今回のフィールドワークは、定例会で扱ったテーマ「科学の発展と生命倫理」と関連させ、 最先端の科学技術が結集する創薬研究所を訪れることで、日本の現在の科学技術の発展を肌で感じることを目的として行いました。


武田薬品工業湘南研究所


 湘南研究所は、大阪十三研究所とつくば研究所を統合して誕生した、創薬イノベーションを加速するグローバル研究拠点です。約1,200名の研究者が結集し、研究開発プロセスの初期である創薬ターゲットの探索から候補化合物選定までの研究に取り組んでいます。

 

研究所見学


 最初に、研究所内の見学を行いました。エントランスに入り、まず目に入ったのは湘南研究所のシンボルである黄色い羅針盤。困難な創薬に日々尽力する研究者の方々を困難な航海を続ける船乗りに例え、その船乗りを導くための羅針盤という意味がこめられているとのことで、薬を創ることの困難さを見学開始早々に感じさせられました。


 研究所の中は白を基調とした近代的なデザイン。長い廊下の途中には「ノマド」と呼ばれる多目的室があり、その中も見学させていただきました。ノマドは、組織にとらわれない自由なコミュニケーションの促進を図って設置されているそうです。実際に、社員の方が話し合いをしている様子も垣間見ることができました。


 続いて、研究所の設備に関するビデオを見せていただきました。医薬品研究開発はまず、創薬ターゲット、新薬の可能性を秘めたヒット化合物の探索から始まります。その過程でハイスループットスクリーニングというヒット化合物の選別技術や遺伝子に関するデータベースが導入され、効率が飛躍的に向上したとのお話でした。


医薬品研究開発の未来


 最後には武田薬品の社員の方から、現在そして未来の医薬品研究開発に関するプレゼンを聞かせていただきました。武田薬品工業の歩み、創薬プロセス、未来の医薬品産業の展望など盛りだくさんな内容で、非常に勉強になるプレゼンでした。

 

 現在、科学技術は急速に進歩しています。それを当たり前のように思ってしまいがちな私たちですが、その裏にはこうした会社で働く研究員や社員の方々など、未来の技術を作り出す人達の努力があるのだと考えさせられました。日本の技術の最先端で働く方々と直に触れ合うことのできる、とても有意義なフィールドワークでした。


文責:矢部 麻里菜