2013年度 第2回勉強会

選挙と政治参画

原田健介氏(Youth Create 代表理事)


5月10日、YouthCreate代表理事である原田謙介氏をお招きし、講義をしていただきました。

若者の投票率増加の必要性


 初めに原田氏は、「政治と若者をつなぐ」という活動テーマの下で私達に対し政治に関する簡単な質問をした後で、「投票率を上げる必要はあるのか」ということについてお話をされた。 

 

 原田氏は世代別の投票率という観点からアメリカと日本の対比を行った。60代の投票率は、日本はアメリカを上回ってはいるものの、20代の投票率は日本はアメリカを下回っているとのことだった。そこで原田氏は、日本における人口減少や少子高齢化といった問題に焦点を当てた上で構造転換の必要性を説き、「今の」「日本」において若年層の投票率を上げる必要性があるとした。その背景には、①人口減少②20代の投票率は全体の約8%であること③若者には構造を変える力がある、以上三点があるとされた。


政治へのアクション


 続いて、「政治へのアクション」というテーマに入られ、原田氏自身の経験について語られた。 ここでは原田氏自身がインターンや学生団体設立といった経験を通し、行政との接点を持つに至った経緯について述べられた。その中で原田氏は、我々は一般的にはあまり知られていない行政の実態に触れるべきであり、20歳を迎えた人々は選挙権という権利を行使すべきだということを強調された。そのため、仮に白票であろうと選挙にはいくべきだと述べた。なぜなら、白票であろうと投票率には換算されるからだ。 


 一方で、OneVoiceCampaignなどといった自身の活動を通して手応えを感じられた反面、難しさも感じられたとのことだった。今回のインターネット選挙解禁を受け、原田氏はあくまでも政治参加のためのツールが増えただけであり、ネガティブな側面もあるとした。しかし、だからこそ皆で育てていくということに留意すべきであると述べた。  


 最後に私達が意識すべきこととは、第一に全ての国民の意見を政策に取り入れることは不可能であり、その意味では全国民への政治ではないこと、第二に嘘や意図に惑わされないようにするためにも更に政治についての実態を知ること、第三に安易な批判などはせずに皆で作る・変えるということであるとおっしゃった。


所感


 原田様は講義の中でも適宜質疑応答の時間を設けて下さり、双方向的なやり取りができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。また、今回の講義を通して一般的に流布している政治のイメージと実態は、必ずしもすべてが一致するわけではないということに気付かされました。 


 今回ご講演頂きました原田謙介様、大変ありがとうございました。


文責:山村久志