2月12日、オリンピック記念青少年総合センターにてグループAの事前学習が行われました。「地方創生」という春合宿の大テーマのもと、小テーマとして「人材育成」を掲げました。
今回はファシリテーション形式で、本テーマについて日本の現状と今後の展望を考察しました。
少子高齢化に伴い地方が消滅する恐れがある現在、安倍首相が掲げるように地方創生が急務となっています。まち・ひと・しごと創生基本方針では、地方創生を、①地方に「しごと」をつくる、 ②地方への新しい「ひと」の流れをつくる 、③結婚・子育ての希望実現、④「まち」をつくるという4ステップで行うと説明しています。では、こうした政策の担当者としてふさわしいのはどういった人材像でしょうか。サークル員からは「計画を順序良く進められる人」「企画立案ができる人」といった意見が挙げられました。実際政府も地方創生プランにおいて、ファシリテーターやクリエイターといった人材が必要だと述べています。つまり地方創生で必要とされる人材像は、地方創生だけではなく、あらゆる分野で欠かせない能力をもった人材なのです。そしてこうした人材を育てることの困難さは、想像に難くないでしょう。
人材育成は難題ですが、一朝一夕で人は成長しない以上、長期的な目線で人を育てなけ
ればなりません。リクルートによると人材育成は、「人材の評価・選抜」「知識の習得」「経験の習得」という計画的な経験デザインに沿って行うとしています。この枠組みをもとに、最初サークル員には、班ごとに政府・自治体・大学・民間という立場で人材育成プランを考えてもらい、次に班を移動して、各立場の人材育成プランを組み合わせた新たなプランを作ってもらいました。例えば政府×大学の班では「政府から大学へ人材育成の委託を行う」、大学×自治体の班では「大学から専門人材を自治体に招く」など、実際の取り組みである地方創生カレッジ事業や、プロフェッショナル人材事業等に近い案が出てきました。
現在、地方創生に向けて、国だけではなく民間や大学など、あらゆる主体が協力し合いながら様々な取り組みが行われています。長い年月が必要となる人材育成もまた例外ではありません。人材育成プランを考えることを通じ、サークル員に人材育成の重要さが伝わったかと思います。
学校や家庭といった場所で、教育やしつけなど呼び名は違えど、人材育成された、もし
くは人材育成した経験を皆さんもお持ちだと思います。これほど身近なものにもかかわら
ず、人材育成の正解はいまだに見つかっていません。これは人材育成の可能性と考えることもできます。もし人材育成が今よりも上手くいき、一人でも多くの有能な人材が輩出されれば、地方、ひいては日本全体が創生することになるでしょう。
「人材」がますます貴重な存在になることは、AIなどの発展により間違いないものとなっています。そして人同士の繋がりもまた重要になっていきます。「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」。多くの部下を従え、人のつながりの重要さを認識していた武田信玄公の言葉を借りてこのレポートを終わりたいと思います。
文責:山田 健太郎