2月15日、オリンピック記念青少年総合センターにてGroupAの事前学習が行われました。
今回学ぶテーマは「人口減少と日本のこれから~多様な働き方~」です。今回は岡根、外園によるファシリテーション形式で本テーマについて日本の現状と今後の展望を考察しました。以下はその内容です。
日本の人口ピラミッドは壺型であり、20~64歳人口の65歳以上人口に対する比率は3.6(2000年)から1.2(2050年)にまで減少すると推定されています。(※1) このように、人口減少に伴う労働力減少が加速し、人的資本の供給不足が課題となっています。具体例として、「介護離職」が挙げられました。日本は高齢社会であり、過去5年で毎年約10万人の労働者が家族の介護を理由に離職を経験しています。このように、家庭内での介護と仕事との両立を図ることができず、働き手を失っているという現状があります。
そこで、ワークシートを用いて、日本の働き方に対するイメージを書き出しました。サークル員からは、「長時間のサービス残業」「会議が多い」「縦割り行政で効率が悪い」「休日が少ない」「人手不足」などのマイナス意見が多く聞かれました。2枚目のワークシートでは、サークル員の生活を100%としたとき、年齢ごとに仕事と私生活が各々何%を占めるのかを記入し、意見を共有しました。年齢によって差はありますが、仕事より私生活の方を優先するという意見が多く見受けられました。このように、大学生である私たちは日本人の働き方に対しマイナスイメージを抱いていますが、個人目線で考えると、私生活を優先したいという意見が多く、働き方に対する現実と理想の差を実感しました。
※1:内閣府,平成24年版高齢社会白書(全体版),http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2012/zenbun/s1_1_1_02.html,2017.05.30
サークル員からは日本人の働き方に対するマイナス意見が多く聞かれましたが、その解決策の一つとして、「ワークライフバランス」という考え方が挙げられます。ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」と定義され、ワークライフバランスを実現することで、一人ひとりのライフスタイルに合った多様な働き方が可能になります。そこで、政府は「働き方改革」を掲げ、ワークライフバランスの実現を推進することで、人々が仕事と私生活を両立し、一人ひとりに合った多様な働き方を推進しようと試みています。具体的には、企業におけるフレックスタイム制の導入や男性の育児休暇を推進する、などの取り組みをしています。このように、多様な働き方を可能にすることで、人的資本の減少を防ぐとともに、一人ひとりに合った働き方やライフスタイルの実現が期待されています。
日本は少子高齢化による生産年齢人口の減少に直面しており、生産性の向上や日本の経済力の維持のために、労働力の確保が必要とされています。しかし、私生活と労働のバランスに関する課題も数多く存在し、社会全体で多様な働き方の基盤の整備や、ワークライフバランスの実現が喫緊の課題となっていることを実感しました。
勉強会では、男性として育児休暇を取得し、職場改革による生産性向上やワークライフバランスの実現に尽力されている宮原様をお招きし、人口減少社会におけるワークライフバランスと生産性向上の両立、日本のこれからのワークスタイルについて熟考していきます。
文責 外園桃子