2月10日、オリンピックセンターでの春合宿の一環としてグループDの事前学習が行われました。テーマは「安心につながる社会保障~介護離職者0~」です。今回は宮寺によるプレゼンテーション形式で、テーマに関する日本の現状と今後の展望について学びました。
50年後も人口一億人を維持し、誰もが生きがいをもって暮らすことのできる「一億総活躍社会」。その実現に向けて、第三次安倍政権が掲げたアベノミクス新・第三の矢が「安心につながる社会保障」です。その中で政府は、「介護離職者を0にすること」と「生涯現役社会」の構築を目指しています。今回は「生涯現役社会」を見据え、高齢者の就業に焦点を当てました。
現在、我が国では少子化と高齢化が同時に進行し、それに伴って人口が減少しています。総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は2015年9月には26.7%となり、日本は超高齢社会を迎えています。また、社会保障費に占める高齢者関係給付費は約7割となり、1950年には高齢者1人を現役世代12人で支えていたものが、2015年現在では、高齢者1人を2.3人で支えています。
日本の平均寿命は、男性79.94歳、女性86.41歳(平成24年度)と世界トップレベルを誇りますが、それに比べ定年は60-65歳と比較的定年が早期であるという現状があります。実際に、60代後半の高齢者の就業率は36.3%に留まり、働きたくても働けない高齢者が数多く存在しています。
厚生労働省は、少子高齢化や人口減少、団塊の世代の65歳到達などを背景に、生涯現役社会の実現に向け、まずは70歳で働くことのできる企業の啓発・普及に注力しています。そこで、今回の勉強会では「雇用機会を創出し、人々の生きがいを弘め、生涯現役文化をひらきます。」という企業理念を掲げ、創業以来約6000名の高齢者の雇用創出を達成してきた株式会社マイスター60の常務取締役である高平ゆかり氏をお招きします。高齢者の就業を取り巻く現状や高齢者就業のメリット・デメリット、マイスター60の取り組み、「一億総活躍社会」において、生涯現役就労を実現するために必要なことなどを伺います。
高齢者の就業が促進され、生涯現役文化が花開くとすれば、社会保障費が減少し、現役世代の負担も減ることになります。この問題は、高齢者だけではなく、現役世代にも関わってくる重要な問題であると感じました。また、急激に高齢化が進む中で、先進国として発展してきた日本の今後の成長を考えるとすれば、高齢者の就業率を向上させることは必須なのではないでしょうか。高齢者の就業という問題に触れ、皆が生きがいをもって充実した人生を送るためには、どうすれば良いのかを深慮するきっかけになりました。
文責 宮寺ひとみ