5月31日、日吉キャンパスにて第二回事前学習が行われました。
これから3週間かけて学ぶテーマは「日本の農業と食」です。「日本の農業と食」について、私たちは日本の理想とする社会を「若者が日本の農業に希望を見出せる社会」と設定し、日本はこれからどうあるべきか考えました。
今回は、2年生の田中によるファシリテーション形式で「日本の農業と食」について学びました。
様々な意見が出ましたが、全体的に
・高齢化による労働者不足と後継者不足
・農業は他の職業に比べてコストパフォーマンスが悪い
といった意見が多く挙げられました。
そこで、農林水産業・地域の活力創造本部についての説明があり、安倍内閣が成長戦略の一つとして農業をおいていて、農林水産業を若者にとって魅力的にしたいという政策が進められていることを学びました。では、実際現在の若者は日本の農業にどのようなイメージを抱いているのでしょうか。
まず、プラスのイメージとして
・安全で美味しく、質が良い
といった意見がでました。それに対し、
・値段が高い
・日本の農作物はいつまでも質が良いとして世界で誇れるのか。
技術開発などが進み他国でもそういった農作物を作れるようになるのではないか。
といった鋭い意見が出ました。また、
・農業は収入が低いということがネックになっている
・他国に比べて農業の規模が小さい
・3K(きつい、汚い、稼げない)
といった、様々な方向から農業を捉えた意見が挙げられました。
この題について各班で予想を出した結果、多くの班が15%前後の答えを予想しました。しかし、正解は1.4%と予想をかなり下回る数字でした。そこでこの数字を諸外国と比較するため、農業大国として挙げられる国の結果をみたところ、アメリカで1.1%、フランスで1.8%であり、普段私たちが考えているほど日本の農業は衰退していないのではないかという感想を抱きました。
この題に関しては、都市部に人が集中しているからという意見が多かったです。なぜ若者が都市部に惹き付けられるのか、についてはホワイトカラーに対する憧れが強い、農業以外の職業の多さなどの意見が出ました。
では農業の後継者不足は悪いことなのだろうか、という問いかけに対し、メンバーからは一軒あたりの農地面積が増えるにあたり、農業が効率的になるため一概に悪いこととは言えないのではないかとの鋭い指摘もありました。
最後に、この題について各班で話し合いました。
・芸能人と一緒に農業を営むとイメージが変わるのではないか
・アグリビジネスコンテストを行う
などといったユニークな意見が多く挙げられました。これを受け、
・第1、2、3次産業を全て組み合わせた第6次産業としての農業
・農業におけるITC活用
など、現在行われている様々な工夫の紹介を受けました。
日本の食といえば安全で美味しく、世界からも好評価な印象が強い一方で、若者の農業従業者率の低さや収入の低さ、関税障壁、政府の補助金、食料自給率など現在たくさんの課題を抱えています。
食は私たちが生きて行くにあたって切り離せないものであり、次世代を担う私たちは日本の農業の様々な課題や現状を学び、考えて行く必要があると思います。
今回の事前学習で学んだことをもとに、「講義」「リフレクション」を通じて、さらにこのテーマについて理解を深めていきます。
そして次回は6月7日、地元カンパニー代表取締役である児玉光史氏をお招きして、ご講演いただきます。
文責 山里晴香