4月26日、日吉キャンパスにて第1回事前学習が行われました。
これから3週間かけて学ぶテーマは「選挙と政治参画」です。
「選挙と政治参画」について、私たちは日本の理想とする社会を「国民が政治に関心を持つ社会」と設定し、日本はこれからどうあるべきかを考えました。
今回は、企画の田中のファシリテートにより「選挙と政治参画」について学びました。
以下はその内容です。
昨今日本ではネット選挙活運動の解禁や選挙区画の一票の格差の是正など、選挙における様々な試みがなされています。しかしその一方で、投票率の低さという問題が存在しています。
今回の衆院選での投票率は59.32%であり、戦後最低の投票率となりました。
年代別に見てみると、60代が74.93%と最も高かったのに対し20代は37.89%と最も低いという結果でした。
若者の投票率は各年代の中で最も低く、その値は時を経るごとに下がる一方です。この若者の投票率の低さは何が原因なのでしょうか。
若者の投票率の低さの原因に関して様々な意見がありましたが、それぞれに共通するものとして
・政治への無関心
・若者に魅力のない政策
・投票環境が悪い
といったものが挙げられます。
度重なる政権交代や高齢者を標的とした政策が若者の政治への関心を低下させているという意見が多かったようです。また、住民票の関係でそもそも投票がしづらいという大学生ならではの意見もありました。
ある調査によると、投票に行かない理由には
・行く暇がない
・投票所が遠い
・どの党も議員もわからない
などが多く、両者に共通して投票環境の問題が挙げられています。
では、若者の投票率の低さはどのような問題を引き起こすのでしょうか。
様々な問題が考えられますが、
・政策が高齢者に偏る
・次世代も投票しなくなる
・国際機関での影響力が低下する
といった意見が挙げられました。若者の投票率の低さに加え、その裏に共存する高齢者の投票率の高さからも問題が生じると考える人が多かったようです。
また、国際的な視点から、投票率の低さにより国の信用が低下し、国際機関での影響力が低下するのではないかという鋭い意見も挙げられました。
若者の投票率が低いのは紛れもない事実であり、私たちはこの事実を真摯に受け止めなければなりません。そこには、そもそも投票率が高ければいいのか?どの程度の投票率が理想なのか?罰金制度を制定してまでも投票させるべきか?など、様々な問いが共存しています。これらの問題に率先にして取り組むべきは次世代を担う私たちであり、今回の事前学習はその大きな一歩となったことでしょう。
今回の事前学習で学んだことをもとに、「講義」「リフレクション」を通じて、さらにこのテーマについて理解を深めていきます。
そして次回は5月10日、NPO法人YouthCreateの設立者である原田謙介氏をお迎えして、ご講義いただきます。
文責:松本昌大