Front Runnerの3本柱を一巡し、今週から新たなテーマ「日本が地球温暖化に果たせる役割」に入りました。日本は地球温暖化とどのように向き合い持続可能な社会を目指していくべきかについて考えました。
日本のCO2排出量は2007年をピークとし、着実に減少傾向にあります。しかし、2009年の鳩山政権において、日本は「2020年までに温暖化ガス排出量を1990年比25%削減する」という自主目標を掲げており、排出量削減の努力を継続していく必要があります。ここで近年、削減目標を達成する手段として注目されているのが排出量取引(*1)です。排出権取引を導入する場合、先進国が温室効果ガスを削減するための新たな技術やシステムの開発に対する必要性が薄れてしまうのではないかという不安の声も上がっています。では、日本が持続可能な社会を目指すためにすべきこととは、何なのでしょうか。
ここからは3つの質問についてディスカッションを行い、意見を共有しました。
質問①:日本は環境保全に貢献しているのか。全員にこの質問が投げかけられ、賛成派が多数でした。具体的には、太陽光発電やLEDなど国家レベルでの技術的貢献、京都議定書などの政治的貢献が挙がりました。
質問②:削減義務は途上国、先進国のどちらが中心的に負うべきか。
班ごとに分かれて、8分のディスカッション後4分間でまとめを行い、班の代表者が意見を発表しました。
これまで多大なCO2排出をしてきた先進国がその責任を果たすという点から、先進国が削減義務を負うべきであるという意見がでました。一方で、先進国による経済的支援の下、途上国をフィールドとして排出量削減に努めるべきであるという意見もでました。先進国と途上国が地球環境のことを鑑み、どこまで妥協出来るのか、という課題が見えてきました。
論点③:日本は排出量取引を増やすべきか、排出量自体を減らすべきか。
班ごとに分かれて意見交換、まとめを行い、今回はランダムに指名された人が1分という制限時間の下、班で共有した意見を発表してもらいました。排出量取引を増やすべきと考える班は、以下のような理由を挙げました。
・排出量取引を行うことで懸念される技術力の停滞については企業のCSRなどにより解決される・削減量には限界がある
・途上国に新たな市場を開拓できる
・円高効果で日本にも利益になる
・途上国のインセンティブとなる
一方で、排出量を減らすべきと考える班は、以下のような理由を挙げました。
・倫理的に見て、世界に関わる環境問題はお金で解決すべきでない。問題の根本的な解決を目指すべきである。
・世界規模で考えた際に、排出量取引は経済的要因に左右され、途上国と先進国において不公平となる
最後にディベートのテーマが発表されました。今回は「日本は国内排出量取引を増やすべきか否か」です。日本国内においては、埼玉、東京で排出権取引の取り組みが始まっているものの、まだまだ未開発の市場です。これから私たちが排出権取引とどのように向き合っていくべきかを考えます。 ディスカッションにおいては、自分の意見を正確に伝え、そしてお互い批判しあうことが大切です。今回共有した意見を消化し、新たな課題を見つけ、講演会、ディベートを通して自分なりの意見が持てるように各々努力していきます。 以上です。
(*1)排出量取引とは、国家や企業ごとに定めた温室効果ガスの排出枠を、排出枠が余った国や企業と、排出枠を超えて排出してしまった国や企業の間で取引する制度です。