12月9日、日吉キャンパスにて「食から見た社会~人を良くする食~」というテーマのもと、ディベートを実施しました。
理想の社会:平均寿命と健康寿命の差がない社会。
論題に沿った施策を各班で立案し、どちらの施策が理想の社会を実現するのに有用であるかを競う形でのディベートを行いました。以下、各班が挙げた施策を記載します。
厚生労働省が公表している1日あたりの栄養素の摂取量の基準値を大きく超えるジャンクフードや清涼飲料水に対して、税制改革を行うことによって食生活の改善を図る。段階的に、塩分税や脂質税を導入することで国民の食生活の改善がなされると考えられる。
普段あまり意識しない食べ物の栄養素や栄養バランスをレシートに視覚化することで、栄養に対する国民の意識改革を行う。レシートの栄養表示は、大学生協を中心に既に導入されており、導入が容易であることから、即効性と広範性を持つ施策であると考えられる。
高齢者の家に若者が週に一回程度訪れ、高齢者と一緒に料理をし、食事を共にとることができるよう、両者の仲介を行う。食事を一緒にとることで食事バランスが改善され、食の重要性を再認識することができる。
日本国内において、社内食堂の設置率や利用率が低いという現状に着目。社内食堂を安価で利用しやすく栄養バランスの良い食事を提供できる場にすることで、働く人々の食生活の改善に繋げる。
日本人の塩分摂取量が過剰であることを踏まえて、企業が加工食品などに含まれる塩分量を減少させることを国が義務付ける。イギリスでは、同様の施策により脳卒中と心臓病での死亡率を10年で40%、認知症の患者を23%改善することに成功している。
糖分・脂質・塩分が一定量含まれた食品に対して課税を行う。税金を課すことにより、食品の消費量を減少させることができる。糖分・脂質・塩分の摂取量減少は、生活習慣病の減少につながる。
カード事業に参加したコンビニと病院が連携し、病院で健康診断を受けた人にはポイントカードを発行し、そのカードによってコンビニで健康に配慮された商品を割引で購入することができるるシステムを構築する。コンビニは身近であるため、広い世代に影響力を持ち、食生活の改善が見込めると考えられる。
近年、若い世代を中心に、朝食を取らない人が増えていることに着目。飲食店やホテルが実際に企業に出向き、健康的でバランスのとれた朝食を提供する。このことによって、生活習慣病の予防に有効な朝食をサラリーマンが摂取し、企業側も収入の増加を見込むことができる。
「食」=「人を良くする」という漢字にもあるように、食は私たちの体を作るだけでなく、家族との団欒の場でもあり、人とのコミュニケーション手段としても有効です。しかし、現代の人々はコンビニやファストフードなど、安価で手軽な食で食事を済ましてしまうことが多く、食に対する意識が低下しているように感じます。事前学習やリフレクションを通して、自分の人生や健康における「食事」の重要性を再認識することができました。
文責 平野 天