2014年度 第3回リフレクション

経済発展と環境問題


 今回の定例会では、事前学習、勉強会を通して学習してきた「経済発展と環境問題」について8班に分かれ、ディベートを実施しました。


ディベート概要


 今回のディベートでは一見トレードオフの関係のように思える経済発展と環境保護をいかにして両立させて実施させるかという「第三の答え」を考えました。そのうえで設定として以下の「日吉議定書」を仮想しました。

 

日吉議定書

「2030年までにCO2排出10%削減へ」

20日から日本の神奈川県横浜市日吉で開催された第n回気候変動枠組条約締結国会議(通称COPn)で地球温暖化の主原因となる温室効果ガスを削減するため「気候変動に関する国際連合枠組条約の日吉議定書」が各国間で締結された。日本はこれを批准し、2030年時点での温室効果ガス排出量を、2010年比で10%削減することを目指すことを決めた。

 

ディベート


論題

「日吉議定書を達成するために経済発展、環境保護どちらも両立させることができる実現可能なプラン」


以下、ディベートにおいてあげられた主なポイントです。


・ガソリン車からハイブリッド車やEVへの転換を行い、自転車利用を推進し、環境にやさしいことのブランド化によりそのような車を買わせるインセンティブを与えて経済を活性化する。また、車そのものを減らしていく観点からシャトルバスや鉄道をさらに整備する。

・太陽光や風力発電よりも安定的な電力供給を期待できる波力発電や地熱発電を推進し、蓄電池の技術といった再生可能エネルギーを導入する。

・家庭での太陽光パネル設置に対する補助金制度を導入する。

・温室効果ガスの排出量の表示を企業に義務づけ、各社に排出枠を設定させる。また、炭素クレジットの売買を可能にさせることで排出削減が各社にとって利益をもたらすような仕組みをつくる。

・ごみの焼却によるCO2排出を抑えるために、そもそものごみの量を減らしたり(リサイクルの意識の植え付け)、生ごみを堆肥してあまりCO2が排出されない形で焼却する。

・老朽化した建物や非効率な工場稼働にCO2排出原因があるとし、それらの解体や効率的な工場稼働を目指す。


総括


 今回は実現性のあるプランを提案するという形式だったのでデータによる裏付けや事前のリサーチが重要なディベートであり、それらを背景とした主張がなされていました。

 また、経済発展・環境保護の両者を実現するプランの提案が採点の基準であったので、環境保護が経済発展の抑制につながらないようなプランの二類型の主張がなされていました。明確なデータによる裏付けやより具体的なプランの提示により分かりやすい議論になっていたこと、また、波力発電といった耳慣れない発電方法が議論に登場したことが印象的でした。また、経済発展と環境保護を両立させる上で環境保護に積極的に取り組んでいる人々やグループにとってそれが経済的に損にならないようなプランが望ましく、できれば推進すればするほど経済的に得になるような仕組みがもっとも効果的ではないかと思い、人々のモチベーションを保つことが重要であると感じました。


文責:杉山希美