2012年度 第1回リフレクション

国際貢献のあり方


 今回の定例会では、Case Studyや杉下氏の講義を通し深めてきたテーマ、日本における国際貢献の在り方について、10班に分かれ、ディベートを実施しました。それぞれのディベートには2名ずつジャッジをつけて判定を行いました。

 

 肯定・否定はあらかじめ決めるのではなく、ディベート当日にくじ引きによって決定されます。

ディベートルールはディベート甲子園(公式HP: http://nade.jp/koshien/)の形式をもとに作成したFR Debate Rule Bookの形式に従っています。


ディベート


論題

「日本はPKOを通じた自衛隊派遣を増やすべきか否か」

 

以下、肯定派否定派において挙げられた論点です。

 

肯定派

・他国からの国際的評価が向上することにより、国益確保につながる

・自衛隊を実地に派遣することにより、国防の強化が可能となる

・当該地域のテロ防止ができる

・国民の支持が得られる

・直接的に現地の声を聴き、ニーズの把握ができる

・国家の組織である自衛隊が支援を行うため、日本が支援しているということをアピールができる

・現在、自衛隊が矛盾を問題視されている日本国憲法第9条の法改正のきっかけとなる

 

否定派

・派遣された自衛隊隊員に生命的危険性が伴う

・現地の職務はNPOやボランティアでも遂行可能であり、必ずしも自衛隊を増員する必要はない

・国益を国民の利益と定義した際、日本国民である自衛隊を実地派遣することは国益に反する

・PKOは税金を使っているものの、支出に見合った利益を得ることが難しい

・自衛隊が実地に赴くことは、自国を守るという本来の役割から逸脱する

・国際平和協力法の規定により、武力や規模に限りがある

・万が一現地において紛争に巻き込まれた際、自衛隊隊員に対する補償制度の整備が不足している

・自衛隊派遣は憲法9条にある平和主義に反する


総括


 今回のディベートの判定においては、各チームが立論の軸に沿って、どれだけ論理的に考えを主張するかがポイントとなりました。立論の際、プロセスの説明が抜け落ちたために論理の飛躍が見られた班がありました。ディベートにおいては、メリット・デメリットについてあらかじめ自らの立場や前提を示した上で「なぜそうなるのか」をジャッジやオーディエンスに明確に主張する必要があります。そのために重要となってくるのが伝え方でした。今後は相手の目を見て、わかりやすくそして論理的に話すことを心がけていきます。


 また、今回の反省として、反駁の仕方についてジャッジからの指摘がありました。反駁の際は、相手の提示した立論に直接的に反駁することを意識する必要があります。チームが反駁するための手助けとなるよう、質疑の時間をうまく活用することが課題として挙げられました。

 

 今回は新入生にとっては初めてのディベートとなりました。以上の反省を生かし、次回はより一層有意義なディベートができるようにしていきます。

 

 ここでの議論を元としてそれぞれが論点についてもう一度整理し、国際貢献について考えることができたのではないでしょうか。 以上です。