2017年度 第4回フィールドワーク

陸上自衛隊広報センター


 9月17日、埼玉県朝霞市の陸上自衛隊広報センターにて第4回フィールドワークを行いました。第3回定例会テーマ「日本の平和主義のこれから~憲法第9条と平和の行方~」に関連し、日本の安全保障に深く関わる陸上自衛隊に着目し、陸上自衛隊が果たす役割についての知見を深めることを目的としました。

屋外展示物見学


 初めに、ヘリコプターや装甲車など、屋外に設置された実物大の模型を見学しました。普段は、映像でしか見ることしかできないものを間近で見ることができ、その大きさや醸し出す雰囲気に圧倒されました。地下には、実戦さながらの指揮所が設置されていました。指揮所内部は、狭くて暗い構造で、地図や作戦日程表とともに具体的な作戦を練る場面が再現されていました。

館内展示物見学


 自衛隊のこれまでの歩みをまとめたパネルやイラク人道復興支援活動の紹介映像、実際に隊員が活動する際に備えている非常食の模型などが展示されていました。パネルには、自衛隊の前身である警察予備隊発足当時から、現在までの主な自衛隊の活動が時系列で表されており、教科書やニュースには取り上げられない自衛隊の支援活動をより詳細に学ぶことができました。 

 特に、災害派遣については、国内のみならず、海外へも頻繁に支援活動に赴いていることを知り、自衛隊は日本のみならず世界中で重要な役割を果たしているということを実感しました。 

 イラク人道復興支援活動の紹介映像では、現地で水の供給を安定させるための装置を設置する様子や医療の技術的指導の様子などが紹介されていました。そして、現地の人々が隊員たちの活動に深く感謝していることも伝わってきました。また、活動に携わる隊員たちへのインタビューでは、「現地の復興支援に貢献することができ、嬉しく思っている」「現地の人々との絆が、厳しい環境での支援活動を後押ししてくれた」といった所感が随所で見られ、復興支援に携わった隊員たちが自らの活動について誇りを持っていることが分かりました。 

 非常食については、ウインナーカレーやさば味噌煮、チキントマト煮など20種類程度のメニューがあり、想像していたよりも豊富な種類のメニューに驚きました。

各種体験コーナー


 射撃シミュレーターやフライトシミュレーター、装具装着体験コーナーなど、幅広い年代で陸上自衛隊の活動に興味を持つきっかけとなるようなコーナーが設置されていました。フライトシミュレーターに関しては、ヘリコプター訓練を映像とともに体験することができ、振動や重力の変化なども再現されていて、興味深い体験ができました。装具装着体験コーナーでは、実際に隊員が着用する防弾チョッキや背のうを背負うという体験をすることができ、その装備の重さから、現場の隊員の過酷さが想像されました。

所感


 陸上自衛隊は安全保障にも深く関わる存在でありながら、国内での災害派遣や海外への復興支援にも大きな役割を果たしており、その存在は必要不可欠であると感じました。また、広報センターを訪れている人々の中には、家族連れや年配の方も多く、様々な年代の方が陸上自衛隊についての知見を深めたいと考えていることが分かりました。昨今の東アジア地域における外交上の衝突や憲法改正の議論が話題となる中、今一度自衛隊という存在について考える必要があると実感しました。

 

文責:山崎大右