2月23日、東京都大和市にある森永乳業東京多摩工場にて、第7回フィールドワークを開催しました。今回は、第6回定例会テーマ「食から見た社会~人を良くする食~」に関連し、食品の生産現場に足を運び、普段見ることのない製品の裏側を知ることで、食に対する新たな一面を発見することを目的としました。
工場に到着し、森永乳業東京多摩工場についてのショートムービーを鑑賞しました。東京多摩工場では、主にヨーグルトや牛乳、カップ飲料などを生産しています。ショートムービーでは、牛乳や乳製品ができるまでの工程について知ることができました。また、風味パネルマイスター体験とチーズ作りを体験しました。風味パネルマイスターとは、森永乳業の味のスペシャリストであり、今回は、「塩味」「酸味」「甘味」「苦味」「旨味」の5つの味覚の中から、水に薄く付けられた味を当てるという体験をしました。実際に風味パネルマイスターになることができるのは、約1%ほどであるということです。チーズ作り体験では、無調整の加温した牛乳とお酢を混ぜてチーズを作りました。一般的な家庭にもある2つの食材を用いるだけで、簡単にチーズを作ることができ、驚きました。
次に、牛乳やカップ飲料、ジュースなどが作られている東京多摩工場の見学を行いました。大きなガラス窓の見学通路から、実際に製品が製造される過程をクイズを交えて、楽しみながら知ることが出来ました。段ボールの組立てから、ケースに詰めるまでが全て機械化されており、機械による生産性の向上について考える機会となりました。
森永乳業は、環境への取り組みにも注力しています。燃料エネルギーを使用してエンジンやタービンを運転し、発電すると同時に廃熱を利用して蒸気を発生させるという「コージェネレーションシステム」を採用しています。また、今回訪れた東京多摩工場では太陽光発電を行うなど、省エネルギーに取り組んでいます。また、水資源の無駄遣いを無くし、排水処理技術の開発・改良を行うために排水管理を徹底し、魚が棲めるくらいの水にして排水しています。そして、容器包装の省資源にも取り組んでいます。牛乳パックは6枚でトイレットやペーパー1個に相当し、ボトルの蓋はコンビニ袋へと生まれ変わります。そのため、牛乳パックやボトルの蓋の回収を行っています。また、技術の進歩により、ビンの重量が従来の二分の一となり、再生回数も30回から60回へと増加させることが可能となりました。
今回のフィールドワークでは、普段口にする身近な製品の製造過程を見学し、その裏側を知ることができました。何気なく手に取るヨーグルトや牛乳の製造過程には、生産から出荷に至るまで様々な機械や人の手を経ていることを身をもって体感することができたと思います。また、食品を製造している森永乳業の環境への取り組みを知ることで、第3回定例会テーマ「開発と生物多様性」で扱った、人間の営みと環境への配慮についても考える良い機会となりました。
文責:宮寺ひとみ