2月12日から14日までの3日間、国立オリンピック記念青少年総合センターにて2018年度春合宿を行いました。普段の定例会を踏まえ「定例会(いままで)の集大成」と銘打たれた春合宿では、テーマを「地方創生~日本まち・ひと・しごと再興戦略~」と設定し、講師の方をお呼びしての勉強会、ディベート、学習企画などを通して、地方創生について、地方を含む日本全体で起こっている問題の現状と課題、それに対して取りうる方策について考えました。
午前中には、グループA(人材育成)の事前学習を行いました。詳しくはこちら。
その後、フューチャーベンチャーキャピタル代表取締役社長の松本直人氏をお招きし、グループAの勉強会を行いました。詳しくはこちら。
昼食休憩後、グループB(地域交通)の事前学習を行いました。詳しくはこちら。
休憩を挟み、小田急電鉄株式会社経営戦略部の乾敬道氏をお招きし、グループBの勉強会を行いました。詳しくはこちら。
その後、2日目で行うディベートの準備を各班が行いました。各班ともに、定例会で積み重ねてきたものを最大限に発揮すべく、資料集めや議論の深化に勤しんでいました。
夕食休憩後、9期の副代表・総務による1つ目の学習企画が行われました。詳細を以下に掲載します。
1つ目の学習企画「自分のvisionを打ち立てよう」では、Front Runnerが”Create the Next Society!”というVisionを持っているように、各人がVisionを持ち、その達成のためにどのようなアプローチをすべきかを考えていきました。
初めに、自分のvision(将来像)を確認するために、自分や第三者が自分のことをどのように捉えているのかを、ソフト面(例:優しい)とハード面(例:話しかけやすい)の二面から明らかにしました。次に、「目標設定シート」に自分が今後目標とすることについて、ソフト面(例:他者の言葉に耳を傾ける)とハード面(例:弁護士になる)を記入しました。ここでポイントとなるのが、10年後、50年後、夢のような目標など長期にわたる目標だけでなく、今月、今週、明日の目標といった短期の目標も設定したことです。自分の将来像をすでに確立しているためスムーズに記入している人が多かった一方で、まだ自分の将来像が確立されておらず、記入に手こずっている人も見受けられました。この学習企画によって、自分の大きな目標達成のためには、自分の将来像を内面、外面両方から見つめなおし、目の前の小さな壁を乗り越えていくことが重要だと改めて感じました。
文責:浜本 純平
午前中には、グループC(観光)の事前学習を行いました。詳しくはこちら。
その後、株式会社WAmazing代表取締役社長の加藤史子氏をお招きし、グループCの勉強会を行いました。詳しくはこちら。
昼食休憩後、グループD(農林水産業)の事前学習を行いました。詳しくはこちら。
休憩を挟み、日本農業経営大学校校長の堀口健治氏をお招きし、グループDの勉強会を行いました。詳しくはこちら。
その後、9期の会計・監査による2つ目の学習企画が行われました。詳細を以下に記載します。
今回の学習企画、「Envision the Next Society!」は、普段の活動において現状の社会問題や将来への危惧に目を向けることが多いサークル員が、IT技術の発展など明るい未来もたらす因子についても視野を広げることができるようになることを目的として行われました。2030年においてIT技術がどのように発展し現在のどのような社会問題を解決しているのか、サークル員がITコンサルタントになったと仮定した上で予想し、4班に分かれて議論を行いました。事前の三分間で班員の意見をまとめたのち、サークル員と共有し優秀な発案を決定するというルールのもとそれぞれがユニークかつ斬新なアイデアを練りだしました。
具体的にはVR技術、3Dプリンター、ウェアラブルディバイスを取り上げました。2030年のVR技術においては、映像投影によって遠隔地からでも対話と同等の意思疎通が可能となり、身体能力的・地理的な制約を抱える人に接客業難度のコミュニケーション主体の労働が提供されることで、VR技術がそれまで働きたくても働けなかった人たちの社会参画や自己実現の手段となると予想した班の案が優秀案に選ばれました。現在の実際のVR活用事例として、軍隊などの専門職訓練や不動産の内見に利用されているようです。
2030年の3Dプリンターの活用案としては、流通価格を抑えるために物品ではなくデータを購入しプリントするという案、また災害時において家の3Dプリント技術が仮設住宅などの設営に用いられるという案が優秀案に選出されました。現在は衣服のダウンロード用データを販売し、購入者の自宅の3Dプリンタで実体化させるビジネスや難民シェルターの設営のために使用されているようです。
2030年のウェアラブルディバイスについては、欝傾向など自分では見落としがちな体調変化を知らせるものに発展し自身の体調を把握するものとして活用するという案、また脳波の計測データ解析をもと相性の良い人を教えてくれるマッチングサービスとして活用するという案が優秀案に選ばれました。現在では飲酒運転防止のために息解析ディバイスとして操縦者の飲酒有無の判断に活用されているようです。
所感
普段の我々は、将来の日本社会にどのような懸案材料が存在するのか、それを改善し克服するために今現在の我々に出来ることは何であるのかを懸命に考えています。そのため今回のように、将来予想される技術発展によって解決が見込まれる現在の社会問題について考える機会はあまりありませんでした。しかしこの学習企画を通じて、現状の社会問題を解決するにあたりどのような技術発展が求められているのか、また技術発展の影響のみで解決できかねる社会問題の存在について再考することが出来ました。一人で黙々と考えることなくサークル員同士で意見交換を行うことで、より柔軟な思考回路の元で将来の社会の在り方について模索することが出来ました。
夕食休憩後、ディベートが行われました。今回の大テーマ「地方創生」の下、第1戦では「地域事情に即した効果ある施策を行うため、政府は地方創生政策に際して地方自治体へ大幅に権限と財源を委譲し、財政措置の相当部分を地方がより自らの裁量で自由に使えるような交付金を創設すべきである。是か非か。」、第2戦では「地方創生につき、地方における「選択と集中」(広域行政圏施策)を徹底し、「地方中核都市」に投資と施策を集中すべきである。是か非か。」という論題で白熱した議論を行いました。詳しくは、「第1戦」「第2戦」をご覧ください。
午前中には、体育館レクを行いました。詳細を以下に掲載します。
前半はバスケットボール、後半はドッジボールの二種目を行いました。
まずバスケットボールですが、その競技の特性上、通常は巧拙がはっきりと現れてゲームのスコアに反映されるところですが、ルールをトラベリングとダブルドリブルに限定したこと、女子が得点すれば従来のものに追加で1ポイントという追加ルールなどが相まってワンサイドゲームのようなレクの目的を著しく阻害するような弊害はなくなりました。しかし、決着の方法を総当たり戦としましたが、本来6試合のところ5試合で終了となりました。
ドッジボールでは2チームを合わせて1チームとして対戦しました。ここでも女子の投げたボールは男子は取る努力をしないといけないというルールを設けました。これによりドッジボール本来の競技性が薄れ女子にボールを回したり女子の投げたボールを男子が避けたらやじが飛ぶというような、ある種のエンターテインメントのような雰囲気が生まれ結果として勝ち負けではなく皆で楽しもうという空気になりました。
レクリエーションとは本来皆で楽しむものであり、その点においてはバスケットボールやドッジボールなどの特定のスポーツを行うということには賛否両論あるかと存じております。しかし主催者の采配がよかったことや、何より仲間と1つのことを興じるのはとても楽しいということからレクリエーションとして本来の役割を果たし、春合宿という1年間の集大成で8・9期の方々と十分に共に活動できる最後の行事の最終日にふさわしく、皆で共に楽しい時を過ごせた良い活動となりました。この経験を来年度以降のレクリエーションにも活かしていきたいと思える良い機会でした。
文責:秋山 諒丞
昼食休憩後、9期の代表・企画による学習企画を行いました。
詳細を以下に掲載します。
3日目の昼食後、春合宿三つ目の学習企画が行われました。
今回はテーマを「合意形成の大切さ」と定め、班及び個人によるワークショップ形式で本テーマにおける個々人の理解度を深めました。
この学習企画では春の新歓講演会で取り上げられたテーマをもう一度取り扱い、この一年の振り返りを行うとともに自分の成長度を確認することを目的としました。その内容として、コンセンサスゲームを用いたワークショップを行いました。これは、砂漠に不時着したという舞台設定の下で、限られた物資に優先度をつけるというものです。初めに各個人で優先順位をつけた後、班員で議論して班の中で統一された優先度をつけました。その後回答が発表され、自分がつけた優先度及び班での優先度と回答を比較してポイントをつけるといった流れで行われました。ここで、ファシリテーターが注目すべきポイントとして挙げたものは、自分が考えた生き残るための最善のプランをどのようにして他者に伝え、同意してもらうか、また複数のプランが考えられる中で、自分の選んだプランにどのように説得力を持たせるか、それをきちんと理解してもらうためにはどのような努力をすればよいのかというところです。具体的には、知識で論じたり、相手との妥協点を探ったり、多数決を取ったりする例などが各班で見られました。
所感
今回の学習企画は、今後執行代となっていく10期が、どのようにして意見をまとめていくのかを考えるいい機会になったのではないでしょうか。また、これらの能力は今後後輩に伝えていくべき大切なことなので、それがきちんとできるかどうかを確認するという目的もあったと思います。自分の意見を伝え、他人に伝えるという事は今後社会に出ていく中で必須の項目であるので、より身に付けて行きたいと感じました。
文責:田﨑 亮
その後、10期の代表・企画による最終リフレクションを行いました。詳細を以下に掲載します。
最後の学習企画では、来年度以降の定例会を引っ張っていく10期代表と企画のもと、春合宿の最終リフレクションが行われました。
今回は普段行われるディベートやプレゼンという形式ではなく、まず3日間で学んだ「人材育成」「地域交通」「観光」「農林水産業」という4つの小テーマを各班でおさらいしました。ここでは、今までは0に近かった「地方創生」に関する知識が具体化されていることを確認しました。その後、これら4つの小テーマをつなぎ合わせて、新しい事業を各班で考案しました。各班、「唐揚げツアー」や「植林を通したタイムカプセルツアー」など面白い考えが飛び交い、とても賑やかな雰囲気でした。最後に、これまでの学習企画で触れてきた発想力、異なる分野を結びつける力、合意形成の重要性を再確認して春合宿の勉強企画が全て終了しました。10期執行部が9期の仕事を引き継ぎ、来年度の実りあるFRの活動に向けて大きく前進する瞬間になったと感じました。
文責:青栁 識
休憩を挟み、追い出し企画を行いました。今回の春合宿を最後にサークル内の主要な活動から引退する9期に対して、10期が卒業式形式でプレゼントの贈呈やメッセージ動画の上映を行いました。9期・10期間の絆を確認すると同時に、1年間共に活動し、サークルを運営してくださった先輩方への感謝を伝える機会となりました。
今回の春合宿は、「地方創生」という大テーマを掲げました。地方創生という言葉は、ニュースや新聞ではよく目にしますが、主体的に考える機会は少なく、また具体的にどんな策がなされているかも考える機会は多くはありませんでした。
「消滅可能性都市」という言葉も作り出されている今、我々に求められているのは主体性ではないでしょうか。「人材育成」「地域交通」「観光」「農林水産業」といった4つのテーマを扱いましたが、それぞれでサークル員が主体的に考え、意見交換をする姿をうかがえました。
数年後には社会に出るサークル員が、春合宿という場で主体的に学ぶことができたのは、貴重な経験でした。春合宿で得たものを、今後の活動やこれからの人生に活かしていきたいです。
文責:松成 拓