2016年度 春合宿

人口減少とこれからの日本


  2月15日から17日までの3日間、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、2016年度春合宿を行いました。普段の定例会の集大成として位置付けられる春合宿では、今年度はテーマを「人口減少社会とこれからの日本」と設定し、講師の方をお呼びしての勉強会やディベートを通して、人口減少社会の中で日本が安定成長していくことのできる方法について考えました。

1日目


 春合宿初日の朝には、1つ目の学習企画「即興ディベート」を行いました。詳細を以下に載します。

 

Front Runnerの活動において、7期(2年生)は約2年間、8期(1年生)は約1年間に亘り、ディベートの経験を積んできました。定例会における通常のディベートでは、予め与えられた論題に対して立論・反駁を行いますが、今回の即興ディベートでは、その場で与えられた立論に対して反駁と自由議論を即興で行います。参加者は6つの班に分かれ、論点同士の繋がりを可視化する「反駁シート」を使用して、計3回のディベートに臨みました。

最初に「結婚相手の判断基準は外見か、中身か。」という論題について、肯定側・否定側に分かれてディベートを行いました。サークル員からは「どちらとも言い難い」、「感情論になってしまう」などの声が聞かれました。

次に「制服は廃止すべきだ。」という議題について、肯定側・否定側に分かれてディベートを行いました。「個性」や「経済格差」などが論点となり、即興ディベート2回目を終えて、サークル員からは「各立論に強みとなる論拠が盛り込まれているので、それらを武器として活用することができるかが鍵である」、「事前の論点の擦り合わせが無いため、ディベート中に言葉の定義や論点整理を行う必要がある」との意見が聞かれました。

最後に「ドラえもんはのび太にとって善か、悪か。」という議題について、ディベートを行いました。予め「善」や「人間的な成長」といった抽象的な言葉の定義付けを行うことで、論点が明確化され、活発な議論が交わされました。

即興ディベートでは、与えられた立論において自分とは異なる立場の論理を深く読み取り、相手に伝えることの難しさを感じました。また、即興ディベートを通じ、各人が新たな気付きを得る喜びやその大切さを感じたことと思います。 

                              文責 鈴木志野

 

 

 昼食休憩後、グループA(多様な働き方)の事前学習を行いました。詳しくはこちら。

 

 その後、東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長の宮原淳二氏をお招きし、グループAの勉強会を行いました。詳しくはこちら。

 

 休憩を挟み、2つ目の学習企画「ハコノリ」を行いました。詳細を以下に掲載します。

 

  ハコノリでは、4∼5人のグループに分かれ、計4回ゲームを行いました。このゲームでは、グループの各人に「立体を正面・横・上のいずれか1つの角度から見た図が記されたカード」と「1辺5cm大のハコ10個」が与えられます。各々のカードに描かれた図形をヒントに、ハコを正しい形に組み立てます。ただし、メンバー同士、お互いの図を見ることはできません。そのため、立体を完成させるためには、口頭でのコミュニケーションが重要となります。

 1、2回目はグループ全員で立体を組み立てます。しかし、3回目からは立体を組み立てる人数が一人に変更となり、組み立てる人以外は「ハコを直接見ることなく、言葉だけで自分のカードに描かれた図形を伝えなければならない」という制約が課されました。

 初めて自分のカードを見た時は、自分の持つ図が、上から見た図か、横から見た図かを判断することができませんでした。実際に立体を積み上げると、自分の持つ図通りの正しい立体が組み立てられていても、他のメンバーの図とは異なることが多々あり、とてももどかしく感じました。しかし、自分の持つ図の伝え方を模索し、「完成図の概観が左右対称の人を見つける」「立体を積み上げる際、最初に上から見た図を参考にする」などの方法を見つけることで、立体を完成させることができました。この企画を通して、チームで物事を行う際には、相手の立場になり、分かりやすく伝えることが重要であると再認識しました。

文責 金重有哉

 

 

 夕食休憩後、グループD(労働人口の増加)の事前学習を行いました。 詳しくはこちら。

 

 その後、ヒューマンタッチ株式会社代表取締役の髙本和幸氏をお招きし、グループDの勉強会を行いました。詳しくはこちら。

2日目


  2日目の朝には、グループB(企業のグローバル化)の事前学習を行いました。詳しくはこちら。

 

その後、デロイト トーマツ  コンサルティング執行役員の日置圭介氏をお招きし、グループBの勉強会を行いました。詳しくはこちら。

 

 昼食後、グループC(生産性の向上)の事前学習を行いました。 詳しくはこちら。

 

 その後、RPAテクノロジーズ株式会社代表取締役社長の大角暢之氏をお招きし、グループCの勉強会を行いました。 詳しくはこちら。

 

 休憩を挟み、3つ目の学習企画「You For FR, FR For You」 を行いました。詳細を以下に掲載します。

 

 この学習企画では、1.与えられた時間内で考えを整理し、相手に分かりやすく伝えること2.サークル員の持つFront Runnerに対しての認識を再確認・共有することを目的としました。

2人1組を作り、各テーマについて30秒で自分の意見をまとめ、1分間(最後のテーマに限り、1分半)で互いに自分の意見を発表し合うというサイクルを計4回行いました。4つのテーマは以下になります。

1.あなたはなぜFRに入ったのですか。

2.FRで過ごした時間の中で、あなたが一番印象に残っていることは何ですか。

3.あなたがFRのサークル員で尊敬する人or推しメンにを教えてください。

4.あなたが考えるFRの一番の良さは何ですか。また、あなたにとってのFRとは、FRにとってのあなたとは何ですか。

 さらに、各テーマにつき、数人がサークル員全体の前で発表を行い、自分の考えを共有しました。短時間で自分の意見をまとめ、それを制限時間内に相手が理解しやすいように伝える力がと必要されました。今回の学習企画においては、サークル員が時折ユーモアを織り交ぜながら、真剣に自身の体験や思い出を語り合いました。何よりも印象的だったのは、FrontRunnerに対する自分の考え方や周りの仲間がどのような想いを持って活動しているのかを再確認できたということです。この学習企画を通して、FrontRunnerというサークルや仲間、自分自身について、各々の新しい一面を発見することができました。

 文責 山﨑大右

 

 

 夕食後、リフレクションが行われ、「日本企業の競争力を向上させるための方策を考える」という論題について、宮寺班・安藤班、古川班・小沢班、今西班・齋藤班によるディベートが繰り広げられました。

 

 今回の春合宿の大テーマは「人口減少とこれからの日本」。各班が日本企業の競争力を向上させるための方策を提示し、その方策の是非を議論する形でディベートを行いました。春合宿に向けて約2か月間準備をした甲斐があり、白熱したディベートとなりました。 今回のリフレクションを通して、現実的かつ多角的な視点から日本の将来について考えることができました。また、チームワークの取り方や、班員・相手班への意見の伝え方も学ぶことができたと思います。

3日目


 最終日の朝には、レク企画が行われました。詳細を以下に掲載します。

 

 レク企画では、男女混合でドッチボールを行い、皆で汗を流しました。

 初めに、3チームに分かれ、ボールを一つ使用して総当たり戦を行いました。次に、2チームに分かれ、全員でボールを2つ使用したドッジボールを行いました。ボールを二つ使用したため、前方だけでなく、後方にも注意を払わなくてはならず、多くの人が同時に二つのボールを追うことに苦戦していました。ドッジボールを参加者全員で競技することで、リフレッシュが出来たことに加え、チーム間での絆がより深まりました。勉強だけでなく、異なる分野でも一人一人が全力を尽くすところがFRの良いところだと思います。

文責:松崎 美結


  その後、7期の追い出し企画が行われました。今回の春合宿を最後にサークルの主要な活動から引退する2年生に、8期からメッセージ動画とプレゼントが贈られました。そして、一緒に楽しい時間を過ごしたいとの思いから「なんでもバスケット」が行われました。7・8期の親睦をより一層深めるとともに、1年間共に活動し後輩を先導してくださった先輩への感謝の気持ちを伝え充実したひとときとなりました。

 

 

 昼食後、8期の代表・企画による最終リフレクションが行われました。春合宿では、1日目・2日目の事前学習・勉強会・リフレクションを通して、春合宿のテーマ「人口減少と経済成長」について考えを深めてきました。「働き方の多様化」「企業のグローバル化」「生産性の向上」「労働人口の増加」という異なる4つの視点から得た見識を振り返って整理し、日本が安定成長を続けていくための方策を再考する有意義な企画となりました。

 

  その後、6チームに分かれコンペティションを行いました。「地方の魅力を発信する」というテーマの下、地方出身者6 名を主体として各班5~6名のチームとなり、合計6チームで担当地域の魅力を発信する2泊3日の旅行プランを考えました。以下、各チームの発表内容です。どの班の旅行プランからも、郷土愛や各観光名所の見どころが伝わってきます。

 

〇井上班(群馬県)「心にググッとぐんま県」

1日目:だるま絵付け体験

2日目:草津温泉に浸かる・ひもかわうどんを食べる・スキーをする

3日目:草津にて湯もみ体験・足湯、富岡製糸場見学

首都圏から近く、自然豊かな群馬県でゆとりある2泊3日を過ごせるプラン!草津の有名な湯もみの体験や、足湯に浸かりながら星空を眺めたり、群馬・桐生名物ひもかわうどんをじっくりと堪能できます♪

 

〇田村班(秋田県)「秋田が生み出す自然の恵み 3日間リフレッシュツアー」

1日目:乳頭温泉に浸かる

2日目:田沢湖周辺観光、白神山地温泉に浸かる

3日目:男鹿半島、ゴジラ岩観光

10種類の源泉から成る乳頭温泉や、世界遺産白神山地、最高の雪景色と満天の星空を満喫できる白神山地温泉、海に向かって吠えるゴジラ岩など、美しい自然と触れ合うことができます!また、日本酒にお米、きりたんぽなどの「食」も魅力的♪

 

〇平野班(静岡県)「都会の喧騒に疲れた慶大生男子3人と女子2人による伊豆の自然を最高に満喫する旅」

1日目:御殿場でショッピング、温泉、BBQ、花火、飲み会

2日目:下田の海にてサーフィン、天城路にて夕食

3日目:富士川にてラフティング

旅行時期を真夏の8月に設定し、BBQや花火、サーフィン、ラフティングなどのイベントが盛りだくさんのプラン!活力に溢れた大学生にとっては非常に楽しみやすく、夏休みの思い出になること間違いなし♪

 

〇松崎班(茨城県)「週末家族旅行in茨城」

1日目:あんこう鍋と温泉を堪能

2日目:工場見学(キューピー、アサヒビール、日本ハム)、常陸牛を堪能

3日目:国営ひたち海浜公園で遊ぶ、JAXA博物館見学

茨城県が東京都心から片道1時間半という近距離であることを生かし、働く父親とその家族に焦点をあて、週末に気軽に楽しむことができるプランです!食品工場やJAXA博物館では普段できない体験・見学をしたり、国営ひたち海浜公園では家族みんなでふれあうことで、親子で週末を楽しめるのではないでしょうか♪

 

〇比屋根班(沖縄県)「女を落とす!恩納村!」

1日目:国際通り観光、恩納村ペンション宿泊、夜は星空を満喫

2日目:青の洞窟、シュノーケリング、昼食にキングタコスを食べる、ネオパーク&夜の美ら海ツアー

3日目:BBQ

旅のターゲットは大学生数人のグループ、コスパ重視の夏休み2泊3日旅行プラン!レンタカーを借り、沖縄県を余すところなく巡ります!ドライブも含め、各観光名所を楽しむことで2泊3日旅行するメンバー内で恋が生まれるかも♪

 

〇鈴木班(岐阜県)「君へのギフト~忙しくて休めない貴女へ~」

1日目:白川郷観光、下呂温泉に入る、夕食は飛騨牛を堪能

2日目:美濃にて着物を着て「うだつの町並み」を散策

3日目:飛騨にて、映画「君の名は」の聖地巡り

旅のターゲットは大学生カップル、季節は冬!着物を着用したり、日本の昔の町並みを観光し、いつもとは少し違った大人なデートはいかが?2泊3日、時間に縛られない、まったりとした旅をお届けします♪

 

 今回の春合宿では、「人口減少と経済成長」に焦点を当てました。日本の人口は2010年をピークに減少を続け、2050年には人口は1億人を割り、それに伴い生産年齢人口の減少も避けることができない課題となっています。こうした人口減少は、人的資源の供給不足を招き、国の生産力の衰退、経済規模の縮小をもたらすことが懸念されています。そこで、生産性を向上させることにより、日本が安定成長を続けていくための方策を「働き方の多様化」「企業のグローバル化」「生産性の向上」「労働人口の増加」という4つのテーマに分けて考えました。各テーマの事前学習では課題や現状を認識し、勉強会では4人の講師の方から現場の声を聴き、知識を深めました。それらを踏まえ、リフレクションでは「日本企業の競争力を向上させるための方策」という議題について各人が深慮し、議論を交わしました。春合宿の準備期間を含めて約2カ月間、サークル員一人ひとりがテーマに真摯に向き合い、「日本のこれから」について熟考する、実りの多い春合宿となりました。

文責 岡根歩美